「半分嘘で半分本当」
高校教頭ブログ(9/30)で来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」について少々書きました。そして、鎌倉市観光協会公式HP内特設サイトで「来迎寺【西御門】(鎌倉市西御門1-11-1)▶ゆかりの人物:源頼朝」とされていることを紹介し、それは「半分嘘で半分本当」と結びました。今回はそのことについて書きます。
「源頼朝公ゆかり」と言っても、頼朝公は1199年没で、来迎寺創建は1293年なので、頼朝公は来迎寺に「来てもいないし見てもいない」ということになります。では、来迎寺創建に頼朝公関係者が携わったかというと、それもなしです。では、なぜ……現在来迎寺には、本尊阿弥陀如来の他に、他寺院から移ってきた「客仏」として「如意輪観音」「地蔵菩薩」「跋陀婆羅尊者」の三体が祀られています。これら三体は江戸時代末まで頼朝公を供養した「法華堂」に安置されていたのですが、明治初年に鶴岡八幡宮より白旗神社が同地に分祀勧請され、そして同年の神仏分離令により行き場がなくなったことで来迎寺に移されたというわけです。すなわち、来迎寺は「源頼朝公ゆかりの法華堂から移された三体の仏像が祀られている寺」ということになるのです。ちなみに、これら三体の仏像は1300年代の作なので、頼朝公は「見てもいないし拝んでもいない」ということになります。「半分嘘で半分本当」の話でした。
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