月清し
今年の十五夜(中秋の名月)は満月にもあたり、9/10(土)がその日(旧暦8月15日)でした。私は、土曜日は通常18時頃学校を出て東に向かって帰宅します。9/10は天気良し、十五夜満月の登り始めが絶対に見られると、わくわくしながら学校を出ました。果たして……「絶景ポイント」に差しかかっても見えない……次の絶景ポイントでも見えない……ん?と思っていたら、やや南東方向から月が昇り始めていて、結局家に着くまでにチラッと3回見えただけでしたが、登り始めの大きな黄色味のかかったすごい満月を見ることができました。
俳聖松尾芭蕉は、元禄2年(1689年)の3月27日、弟子の曾良を伴い『おくのほそ道』の旅に出ます。下野・陸奥・出羽・越後・加賀などを巡り、元禄2年8月14日(旧暦)に越前敦賀に入ります。敦賀気比神宮に参拝した松尾芭蕉は、時宗二祖真教上人の「お砂持ち」の遺徳を偲んで「月清し遊行のもてる砂の上」と詠んだのです。日付から見ると、これは中秋の名月の前日に当たります。
さて、「お砂持ち」とは何でしょう?これは、「遊行のお砂持ち」と呼ばれ、鎌倉時代の正安3年(1301年)に、遊行二祖他阿真教上人が越前国に遊行した際、氣比社(のちの氣比神宮)の参道がぬかるみ民衆が難渋しているのを見て、自ら砂を運び修繕したという故事なのです。この故事にならって、現在でも遊行上人の交代時にはお砂持ちの神事が行われます。遊行七十五代他阿一浄上人のお砂持ちは、令和5年5月14日に予定されています。
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