中学3年生「熊野研修旅行」
私ですが、来週は「中学3年生熊野研修旅行」の引率をします。この熊野研修旅行は今年で10回目、それもコロナ禍にありながら途切れずに続いている宿泊研修行事です。ちなみに、第1回目の熊野研修旅行は、私が学年主任をしていた2013年の11月でした。
なぜ、藤嶺藤沢が熊野研修旅行を実施しているのかについて、もうご存知の方も多いと思いますが、ここで確認しておきたいと思います。時宗宗祖一遍上人は、13世紀に生きた方ですが、出家をして日本全国を巡りながら修行の旅(遊行)を続けました。文永11年(1274)、36歳であった一遍上人は、四天王寺に詣で、ここから念仏札を配る(賦算)ことを始め、高野山を参詣し、熊野へと向かいました。熊野本宮近くに差しかかった上人は、一人の僧と出会い、念仏札を受け取る受け取らないで悶着がありました。そのことで、念仏勧進の心構えを仰ぐために熊野本宮証誠殿に祈願したところ、夢枕に熊野権現があらわれ、人々に念仏を勧める際の心構えを授かったのです。時宗では、このときを一遍上人が「悟りを開いたとき」としているのです。つまり、時宗にとって熊野は、一遍上人が悟りを開いた地であり、言うなれば「聖地」なのです。したがって、熊野研修旅行は、一遍上人の足跡をたどり、聖地を巡る旅なのです。
熊野は「呼ばれなければ行かれない場所」と言われるように、今でも行きにくいところであります。だからこそ、熊野の地にたどり着くことには大きな意味があり、古来より「よみがえりの地」と言われてきたのです。
私も3年ぶりの熊野参詣となります……生まれ変わって帰って来ます!
追伸 「熊野」の「真実」を知りたい方は、『熊野詣 三山信仰と文化』(五来重著/2004年/講談社学術文庫)をお読み下さい。
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